Camino Francés 2016
ル ピュイをスタートし1ヶ月、30日目にサン ジャンから国境を越えスペインに続くフランス人の道に入りました。
18. 5. 2016 Etapa 30 Saint Jean Pied de Port – Roncesvalles 24,2 Km
天気も良いのでピレネー越えのナポレオン ルートを行きました。標高差は約1400mt、20km上り坂が続きます。峠までの道はほどんど舗装道路で歩き易いです。峠を越えるとロンセスヴァージェスの修道院まで約5kmの下り坂、森の中を抜けて行きます。
ロンセスヴァージェスの修道院の大きなアルベルゲ、チェックインの時に夕食と朝食のチケットを購入します、午後7時からと8時半から外の2軒のレストランのいずれかになります。そして間の午後8時からミサがあります。修道院見学はガイド付きで午後6時頃、部屋にガイドが参加者を集めに来ます。
19. 5. 2016 Etapa 31 Roncesvalles – Villava 38,0Km
20. 5. 2016 Etapa 32 Villava – Cirauqui 36,8Km
さて今日からは行程の予定はナシ。気が向くままに歩いて行こうと思っていました。予定もないのにスタートは午前6時、昨日知り合ったイタリア人のルチアーノもその時間にスタート、雨の中森を抜けて行きます。昼前には雨も止み、道端で一休みしていたら、ルピュイからの道で出会った、ベルナールやジャン ルック達のフランス人仲間に会いました。彼らはパンプローナの手前まで行く予定。では私もと優柔不断にヴジャーヴァまで、歩いた距離は38km。翌日は朝早くパンプローナを通過。そして、ここからは3年前に歩いた、記憶に残る懐かしい道をたどります。プエンテ ラ レイナからさらに8km、丘の上の白い町チラウキまで歩きました。
21. 5. 2016 Etapa 33 Cirauqui – Villamayor de Monjardin 24,4 Km
今年はフランチェスコ法王が決めた特別聖年。そのせいか巡礼者が多いそうです、2016年6月にサンティアゴに到着した巡礼者は39.079人、2010年の聖年の同月でも33.757人。今年はレコード更新間違いなし。(2016年間集計では約5000人ほど多かったようです。と言うことはこの6月に集中して多かったのですか?、次回のサンティアゴの聖年は2021年、そして2025年です。7月25日が日曜日になる年です。)
私は朝早くスターし、メインの町を避けて宿泊したので、多くの巡礼者に会うことはありませんでした。ヴィジャマヨールは3年前にも泊まった村、小さな村なのでアルベルゲは1時頃には満員、午後は泊まれず次の町に行く巡礼者を多く見ました。
22. 5. 2016 Etapa 34 Villamayor de Monjardin – Viana 38,4 Km
早朝にスタートするスペイン人達について、6時前に私もスタート。暗い雨の中、ライトの光で足元を照らし進んでいきます。空が白み始めた頃には雨も止み、有明の月が浮かんで幻想的でした。ヴィアナの手前ではまた雨と雹、そして午後は晴れ、気まぐれなお天気の1日、ヴィアナは以前泊まった懐かしい町。サンタ マリア教会の隣のアルベルゲは残念なことに閉鎖されていました。
23. 5. 2016 Etapa 35 Viana – Nájera 40,0 Km
24. 5. 2016 Etapa 36 Nájera – Viloria de Rioja 35,4 Km
写真が少ないのは、一生懸命歩いていた証拠。ですが、実はスマホの許容量がフルで他の写真を消去しないと、写真が撮れない、今回は逆光、ボケ、白く焼けてしまった写真など様々です。ログローニョを抜け、ナヘラまで歩きました。アルベルゲでルチアーノに再会、彼の予定はサン ジャンからフィステーラまで3週間のはず、まだナヘラにいて大丈夫かな?そして川沿いのバルでルピュイから歩き、サン・ジャンの手前のオスタバットから先を行ったレジスを発見。お決まりどおりビールを飲もうぜ、ということになり、そこにベルナールやジャン ルックのグループも加わり、テーブルの上のジョッキの数は徐々に増していったのでした。楽しかったです。翌日はヴィロリア デ リオハまで歩きました。
ヴィロリアのアルベルゲ、夕食のパエリアを料理中のオスピタレロ。
25. 5. 2016 Etapa 37 Viloria de Rioja – San Juan de ortega 32,8 Km
26. 5. 2016 Etapa 38 San Juan de Ortega – Burgos 27,4 Km
どうしてこうなったのか、今回のフランス人の道の巡礼は、連日約30kmペース。このくらいの距離を行くと他の多くの巡礼者と行程がずれるのでグループになることもまれです。今日はサン ファン デ オルデガまで。ここの修道院のアルベルゲ、参考までに泊まってみました。夕食、朝食ははアルベルゲでチエック インの際にチケットを買います。ニンニクのスープは夕食に付いています。星はナシ。
ブルゴスに入る巡礼路は2つあります。空港の脇の舗装道路を歩き市街地からの入る道、もうひとつは先に左折し、その後町まで川沿いの公園を行く道です。この道の方が2kmほど距離が長くなりますが、町の中心街まで車、交差点に出会うことなくスムーズに歩けます。川沿いの約7kmのまーっすぐな道、脚の速いルチアーノについてナニクソと頑張って歩きました。
27. 5. 2016 Etapa 39 Burgos – Hontanas 30,6 Km
ルチアーノはブルゴスから先は力を入れて歩くと、距離を延ばします。アントニオさんはブルゴスで友人と別れひとりで歩き始めます。
メセタは広大な岩盤の上にわずか数十センチの土が載っているだけの大地、土を耕すと岩がゴロゴロ出てくる、そこにけなげに植物が育つ。
金鳳花が咲いていると村が近とわかる。T先生講義
28. 5. 2016 Etapa 40 Hontanas – Formista 35,2 Km
フォンタナスからスペイン人のアントニオさんと同じ行程で歩きました。この人も歩くのが早く、距離を延ばします。もちろん私はちょこちょこと数キロ後方を歩いて行きます。
29. 5. 2016 Etapa 41 Formista – Calzadilla de la Cueza 36,8 Km
フォルミスタを朝早く、アントニオさんとスタートします。暗いうちは一緒に歩き、明るくなるとめいめいのスピードで歩きます。途中の町、カリオン デ ロス コンデスでは道路を色とりどりの花のフラワーカーペットで飾り、お祭りの準備中でした。バルで休憩し、町を出ると約17kmの長い直線道路が続きます、3年前歩いた時は霧の中でした。
長い道の終わりにこの、小さな村カルツァディラがあります。アルベルゲの窓からのワイルドな風景がとてもきれいでした。
30. 5. 2016 Etapa 42 Calzadilla de Cueza – Bercianos del Real Camino 29,6 Km
以前にも泊まった懐かしいアルベルゲ、今回は陽気な2人のスペイン人のオスピタレロさん。夕食はパエリアでした。そしてアルベルゲ伝統の、国別歌合戦、日本人はひとりでした。印象としては目立ちたがり巡礼者がほとんどでした。
31. 5. 2016 Etapa 43 Bercianos del Real Camino – Puente de Villarente 32,2 Km
この日の写真はアルベルゲのミミちゃんだけ。
プエンテ デ ヴィランテの大きなアルベルゲ、中庭も広くキッチン、レストランもあります。お天気も良く暑い日が続きました。今年の5月の巡礼は最高気温も28℃ほどと高く曇り空ではあるものの雨には降られず、良いお天気が続きました。3年前は6月でしたが雨が多く最高気温も22℃くらいだったと記憶しています。
1. 6. 2016 Etapa 44 Puente de Villarente – Villadangos del Pàramo 33,4 Km
2. 6. 2016 Etapa 45 Villadangos del Pàramo 28,6km
3. 6. 2016 Etapa 46 Astorga – El Acebo 37,2Km 4. 6. 2016 Etapa 47 El Acebo – Ponferrada 15,8 Km
6月になりました。レオンを通過し、道路沿いの巡礼路が続きます。オルビゴの長い石橋を渡りアストルガへ向かいます。道は以前も歩いたまっすぐな近道を選択、ここも巡礼路です。舗装道路がほとんどであまり人も歩かないので、途中で野生の鹿に会いました。アストルガで、ルピュイの道のカホールで別れて以来、消息不明だったチョイからのメールを受信、(サンティアゴにはいつ着く予定?サンティアゴでビールを飲もう!ボクは今パンプローナ)アストルガからサンティアゴまでは約250km、パンプローナからは約700km、チョイこの距離差をどう克服するか?
今日は37kmロング ディスタンスの山越え付き。朝、低血圧の私は調子が良くなるのは15kmほどを歩いてから、おまけにスマホカメラの不具合にイライラ。美しい風景の中、写真も撮影できません。クルス デ フェロで1時間以上アントニオさんを待たせ、更にエル アセボまで歩きました。ここの村はずれの新しいアルベルゲ、ホテルみたいです。テラスから美しい風景、朝食はコンチネンタル、コーヒーはネスプレッソ、シリアルも付いて、4ユーロ。そしてこの朝、アントニオさんと別に歩くことを決定。今日はポンフェラーダまで16km、念願のテンプル騎士団の城を見学しました。
5. 6. 2016 Etapa 48 Ponferrada – Pereje 30,0 Km
6. 6. 2016 Etapa 49 Pereje – O Cebreiro 23,0km
7. 6. 2016 Etapa 50 O Cebreiro – Samos 31,0 Km
ポンフェラーダは大きな町、ペレーヘはアルベルゲとバルレストランだけの小さな村。オ セブレイロへは、急勾配の上り坂、ぬかるみ牛糞にまみれた難関の山道を抜ければ、美しい風景の道が続きます。
サーモスでは修道院のアルベルゲに泊まりました。
8. 6. 2016 Etapa 51 Samos – Mercadoiro 30,0 Km
9. 6. 2016 Etapa 52 Mercadoiro – Melide 45,5 Km
10. 6. 2016 Etapa 53 Melide – Santa Irene 28,6Km
11. 6. 2016 Etapa 54 Santa Irene – Santiago de Compostela 22,6 Km
今日の行程でサリアを過ぎ、サンティアゴまで100kmと近づきます。巡礼者が増える区間ですが、最終日を除きわずかな巡礼者にしか出会いませんでした。3年前にはなかったガリシア州の新しいモホン、コンクリート製でホタテ貝と黄色い矢印、サンティアゴまでの距離が示されています。まだ落書きも無く、モホンによっては距離もLOADING中の新品、貝の向きはすべて同じで矢印の向きが違います。
サンティアゴに11日に着くには、1日どこかで40km以上歩かなければなりません。この日は曇りで涼しかったので、メルカドイロからポルトマリン、パラス デ デイを過ぎ、メリデまで45kmを歩きました。ご褒美はもちろんプルポ アラ フィエラ。先を行ったルチアーノがフィステーラに着いたとのメールがありました。フランス人の道を1日平均42km、すごいなぁ。
今回はオ ペドロウゾをやめて、サンタレーネ に泊まりました。アルベルゲはムニチパーレかプライヴェートのどちらかの選択。夕食付きで庭のある後者に泊まりました。そこで出会った日本語のうまいカリフォルニアのマイクさん、私より多くの日本人巡礼者を知っていました。そしてザックを送る人は巡礼者でないと苦言、私も同感。ルピュイからのこの53日間、交通機関もモチラ タクシーも使わず歩いて来ました。
ル ピュイから54日でサンティアゴ到着。サン ジャンからは25日で歩きました。早足で来てしまったので1週間時間があまりました。明日1日休憩し、月曜日6月13日朝に、バスでフェロールに行き、イギリス人の道を歩きます。
12. 6. 2016 Santiago de Compostela
(今回は巡礼なので、音楽も唄も踊りもなし。) とサンティアゴのアルベルゲでお会いしたT先生、ルルドからアラゴンの道、フランス人の道を歩かれたそうです。(巡礼中、薮や茂みに入り歩き回り、1日40キロくらい歩きました。) 突然茂みから出て来たヒゲの東洋人にいったい何人の巡礼者が驚かされたことか。(ワタシ、明日はパラドールに泊まります) 安アルベルゲとは格差がありすぎ。余談はさておき今回会った巡礼者の中で一番面白い方でした。いろいろお話を聞けて勉強になりました。アストルガで一報をくれたチョイにメールすると、2日前にサンティアゴに着いて、今はポルトガルの道にいるとの返事。
フランス人の道で出会ったこの道5回目というイタリア人にどうして他の道は歩かないの?と質問したところ、この道がいちばん宗教的だからとの返事でした。道が整備され巡礼が便利になり、人が増えてもやはり中世からの巡礼の道、その歴史と文化、そして信仰に支えられたフランス人の道。今回もすばらしい巡礼の道だなぁと実感しました。
ル・ピュイから歩いた2016年の巡礼は、さらにイギリス人の道に続きます。